情報漏洩が及ぼす影響とは?顧客リスト流出のリスクを解説!
「情報漏洩」や「顧客リスト流出」などの言葉は、誰でも一度は聞いたり、目にしたりしたことはあるのではないでしょうか。しかし、具体的にはどのような影響やリスクがあるのかよくわかっていないという方もいるのではないでしょうか。今回は、情報漏洩が及ぼす影響やリスクについて紹介します。
顧客リスト流出が及ぼすリスク
顧客リストの流出にはどのようなリスクがあるのでしょうか。
まず1つ目は、なりすましや不正に利用されるリスクです。IDやパスワードが漏洩すると、SNSのアカウントが乗っ取られたり、顧客のクレジットカードが不正使用されたりする恐れがあります。また、メールアドレスなどの個人情報が漏洩すると、企業になりすましたメールが送られてくるリスクが高くなります。
2つ目に挙げられるのは、刑事罰を受けるということです。情報漏洩が発覚すると個人情報保護法に基づき、国からの改善命令が出されるようです。この改善命令に従わない場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金刑が科されます。また、刑事罰とは別に民事上の損害賠償責任も発生します。損害賠償額はケースによって異なりますが、1人あたり数千円から数万円、合計すると1,000万円を超えてしまうこともあるようです。
さらに、お金に関する損失だけではなく、個人情報を漏洩してしまった企業は社会的信用も失ってしまいます。重要顧客の取引が停止する、営業の機会を失ってしまうなどの損失が出たり、顧客や取引先からの問い合わせや苦情の対応に追われたりすることになります。
3つ目に挙げられるのは、Webサイトの改ざんの被害に遭う恐れがあることです。Webサイトの管理者IDやパスワードが漏洩した場合、サイトが改ざんされてしまう恐れがあるだけではなく、不正プログラムが埋め込まれ、閲覧者がマルウェアに感染し、ネットバンキングのIDやパスワードが盗み取られるという恐れもあります。
情報が漏洩してしまった場合の影響
さまざまなリスクがある情報漏洩ですが、具体的にはどのような影響があるのでしょうか。
まず挙げられるのは、業務の一時停止および対策費用の発生です。情報漏洩が起こると、全社を挙げて対応に追われることになります。業務が停止することによって営業の機会が失われ、同時に情報漏洩対策費用が発生するため、会社の利益が低下してしまいます。
次に挙げられる影響としては、行政指導が入るということです。情報漏洩の原因が重大なセキュリティ事故であった場合、行政から指導が入ることがあります。今後はIoT機器がますます普及していくだろうと考えられますが、IoT機器を悪用したサイバー攻撃に対しては総務省が国立研究開発法人情報研究機構(NICT)などと連携して注意喚起や行政指導を行う「NOTICE」という取り組みがなされています。
次に挙げられる影響としては、社員のモチベーションの低下が挙げられるようです。従業員はセキュリティ事故への対応に追われ業務は滞り、なおかつ取引先の評価を直接受ける立場で踏ん張らないといけません。当然不安や不満を募らせることになるうえ、仕事に対するモチベーションが低下してしまうことは避けられないでしょう。そのほかにも、損害賠償を請求される、社会的信用を失うなどの影響もあります。
リスト流出や情報漏洩は事前に対策できる
情報漏洩によってさまざまな影響やリスクが出てくることがわかりましたが、このような事態になるのを事前に防ぐためには、どのような対策をすればよいのでしょうか。
大きく分けて、従業員に個人情報の取扱に関するルールや意識を共有するというものと、不正アクセスなどに対するITシステムを導入するという2種類の対策があります。
前者の具体的な例としては、まず個人情報流出に関する教育を行うというものが挙げられます。情報漏洩の原因としては、個人情報を持ち出す、モバイル端末を紛失する、作業ミスや誤操作などがあるようです。これらを防ぐために、セキュリティポリシーや実施要領を定め、定期的な教育を行い、従業員のリテラシーを高める必要があります。
近年、新型コロナウイルスの感染拡大の影響もあり、急速にテレワーク化が進んでいます。外部で業務をする際に使用する情報の管理方法や、モバイル端末・USBメモリなど外部記憶媒体の使用有無など、セキュリティ確保のルール作りを行うことが急務であるといえるでしょう。また、守秘義務に関する書面を取り交わして、従業員の情報に対する認識を入社時に整えるという手段も効果的でしょう。
続いて後者の具体的な例としては、Webサイトやソフトの脆弱性対策を行うということが挙げられます。不正者は運営しているWebサイトや使用しているソフトの脆弱性、つまりセキュリティ上の問題点を狙ってサイバー攻撃を行います。そのため、Webサイトやソフトの脆弱性を発見・修復する不正検知サービスを導入するとよいでしょう。また、運営にあったセキュリティソフトの導入もおすすめです。導入後は定期的にアップデートを行い、常に最新の状態を保つことが重要です。
情報漏洩による影響やリスクには、具体的にどんなものがあるのかについて理解していただけたかと思います。これらのリスクを防ぐために何より重要なのは、事前にできる対策をしっかり行うことであるといえます。この記事がお役に立てれば幸いです。