その情報、使っても大丈夫?改正された個人情報保護法を守ろう
営業に必要なリストについては、専門の業者から購入を考えている方も多いのではないでしょうか。しかし、興味とともに疑問が湧いてくることもあります。とくに「法律的なことについて知っておきたいんだけれど…」と思う方はたくさんいることが予想されます。今回はそんな方のために、改正された個人情報保護法について説明しましょう。
現代社会は情報の取り扱い方への意識が高まっている
情報の取り扱い方への意識は、年々高まってきています。とくに個人情報については、目覚ましいものがあるといえるでしょう。ひと昔前の常識がどんどん通用しなくなっていることについては、実感しているという方も多いのではないでしょうか。
個人の利益を守るためのものである個人情報保護法が、初めに施工されたのは2003年のことです。そして、2022年に新たに改正がされました。この改正では、個人情報の利用停止や消去などを求める場合の要件が緩和されたり、データの開示方法を選択できたりと、個人の権利がより守られるようになっています。
事業者の責務に関しても問題が発生した場合に通知を義務付けたり、不適切な情報の取得について明記されたりという改正が行われました。これらの影響もあるので、個人情報を取り扱う意識については、これからも高まっていくことが予想されます。
しかし実は、個人情報保護法の改正は今回が初めてではありません。2017年にも改正が行われているのです。2017年の改正も新しい改正と同様、大変重要なものでした。今回はこの2017年の改正でどのようなことが変わったのかについて、詳しくみてきましょう。
これまでグレーゾーンだったものがアウトに!?
それでは、2017年の改正で個人情報保護法がどう変わったのか、具体的に見ていきます。まず、大きなポイントとしては、個人情報を1件でも取り扱っている事業者は適用対象となったことが挙げられます。
それまでは保有している個人情報が5,000件以下の小規模な事業者である場合、対象外となっていたのです。これにより、個人事業主なども対象となったので、対応をしていかなければなりません。
しっかりと把握をしておかなければ間違った対応をしてしまう可能性もあるので、注意をしておくようにしましょう。また、2017年の改正では、個人情報の定義も明確になりました。
改正前にあいまいだった部分も、解釈が分かれないようになったのです。個人情報は、氏名など、特定の個人を識別できるもの、あるいは、ほかの情報と合わせることができ、それによって特定の個人を識別できるもの、となっています。Webサイトの履歴や商品の購入履歴なども個人情報に当てはまりますよ。
そして、改正で新たに定義されたのが個人識別符号です。DNAの情報など身体的な特徴などをデータにしたもの、免許証の番号など行政機関などが個人に振り分けた符号が該当します。
また、要配慮個人情報、も新たに定義されました。これは名前からも分かるとおり、取り扱いに配慮を要する個人情報のことです。人種や信条、病歴、犯罪歴などが該当します。
要配慮個人情報は原則的に本人の同意なく取得することはできません。このように、これまでグレーゾーンであったものもなくなっているので、個人情報を取り扱うときには正しく取得や利用をするよう、意識する必要があるでしょう。
法律やルールに則って営業しよう!
ビジネスに個人情報を利用するときには、法律やルールに則って営業するようにしましょう。間違っても、知らない間に違法になっていた、なんていう事態は避けなければなりません。集めた個人情報を、子会社やパートナー企業などと共有するときなどにも注意は必要です。共有する事業者と方法の開示も求められます。
もちろん、リストの販売業者から個人のリストを購入することについては、悪いことではありません。自社に合ったリストを提供してくれる業者を見つけることができれば、効率的にビジネスを展開させていくことにもつなげられるでしょう。
ただし、悪質なリスト販売業者が存在しないわけではないので、注意は必要となります。法人のリストであればリスクもほとんどありませんが、個人のリストを購入するときにはリスクがあることも知っておくようにしましょう。
事業にも影響する可能性があるため、購入が必要になったときや検討するときには、悪質なところを選ばないようにすることも重要です。業者を選ぶ際には、どのようにして情報を取得したのかなど、経緯についても確認しておくようにしてください。インターネット上の口コミなども参考にすれば、より有意義な検討が可能になるはずです。
個人情報の取り扱いについて、理解を深めることはできましたか。情報の取り扱い方への意識はこれからもさらに高まることが予想されるので、気をつけていきたいですね。もちろん、実際にリスト販売業者からリストを購入することになったら、しっかりと優良な業者を見極めて選ぶようにしましょう。そのうえで自分の会社に合ったリストを提供してくれるところを選ぶことができれば、ビジネスにも活かせることが期待できますよ。