リスト販売業者は法令的に大丈夫?
インターネットやSNSが普及している現代、個人情報の管理はきちんと行う必要があります。
SNSで自撮り写真を公開しただけで、その人の名前だけではなく、住所や年齢電話番号まで特定されてしまうほどです。
そのため個人情報の管理はきちんとする必要があります。
さて、営業をするうえで重要視される顧客リスト。
この顧客リストはインターネットのホームページから得たものや、実際にクライアントと交渉をした際に得た名刺をリストにアップすることが多いでしょう。
しかし、中にはリスト販売業者から情報を得ている営業マンもいます。
このリスト販売業者から情報を得ることは果たしていいのでしょうか?
またリスト販売業者というのは法令的に大丈夫なのでしょうか?
リスト販売業者とは?
そもそもリスト販売業者とはなにかご存知でしょうか?
リスト販売業者とはいわゆる名簿業者あるいは名簿屋と言われている業者です。
名簿屋とは氏名や住所に電話番号などの個人や企業を特定する情報を整理し、検索できるような状態にまとめた形にして販売する業者の事です。
多くの業者は5,000件を超える個人情報データベースを事業のように供しているものを指します。
通常個人情報というのは個人情報保護法で守られています。
個人情報本人の同意が得ていない場合、第三者へ個人情報を提供してはいけないというものが原則です。
例えばこの個人情報も警察など犯罪などに関連することや特殊な事情でなければ本人に同意がない場合公開は原則できません。
○ではこの名簿屋が行っていることは法令的に大丈夫なのでしょうか?
一般的に個人情報の売買が見つかった場合、罰金や懲役が科されます。
しかし、名簿屋やこの条件を満たしているか、それを特定することは難しいといわれています。
例えば極端な話、名簿屋が売った情報が犯罪に利用されると知らなかったとなれば、事件として立証することは厳しくなります。
また、この名簿屋も水面下で情報を売買しています。
日本で名簿屋を探すとなるとどれくらいの業者がいるかわかりません。
そのため、監視する側も監視しきれないのが現状です。
実際名簿屋が絡んだ事件でも逮捕したものの不起訴になっている事件もあります。
○個人情報保護法23条でみても、個人情報を売買することを一律禁止にするルールは存在しません。
ただし規制対象はあります。
それは個人情報を5,000件以上扱う者です。
過去6か月の間に1回でも個人情報が5,000件に達した場合これに該当します。
また、市販の名簿を利用すること自体は違法ではありません。
ただし、個人情報保護法18条2項で、個人情報取得の事実とその利用目的を通知することになっています。
不正にリークした情報をもとに作成された名簿を利用してしまうと違法になってしまいます。
つまり、個人情報を売買しても法令的に問題はないので、そこから顧客リストを作成して営業を行うことはできます。
ただしこの個人情報、個人情報の第三者提供の条件として提供停止借置というものがあり、本人の要請があった場合第三者提供を停止する運用も行っています。
削除要請もできますが、例えばダイレクトメール送付が嫌だからという理由で削除要請に従うという理由が企業にはないので難しいところです。
現在個人情報は改訂され、名簿屋は個人情報保護委員会に提出を行います。
個人情報の第三者提供時に提供の年月日、受領者の氏名を記録して保存し、個人情報の取り扱いも氏名や住所に電話番号に生年月日として、人種や民族に本籍、信教や医療情報、犯罪歴などの情報は取り扱わないようになっています。
利用する名簿屋の中には、情報管理を徹底していたり買取をする客の情報に関しても管理を行っています。
法的に対処できないのが現状
個人情報は本来個人情報保護法というもので守られています。
しかし、日本に存在する名簿屋の業務を停止することは法的に厳しいです。
5,000人を超える個人情報を扱う業者に関しても、ホームページでどんな情報が掲載された名簿を販売しているか、簡単にわかるように明示されていれば販売をすることは可能です。
これは消費者庁でそのようになっているため、法的に一斉に取り締まるのは難しいです。
また、このようにきちんと明記されている名簿屋から情報を買い取ることはできるので、つまりここから情報を買い取ったものでリストを作成しても問題はないという事です。
ただし、不正にリークした情報を利用して販売することも、不正にリークした情報を買い取ることも法令では禁止されており、販売した柄輪も買取した側も法律で罰せられることもあります。
もし名簿屋から情報を買い取る場合、まずこの名簿屋はきちんとホームページにどんな情報を販売しているのかきちんと明示されているか、きちんと申請をしているのか。
買取をする場合はきちんと名簿屋のことも調べて信頼できると確認をしてから買取をするようにしましょう。